特殊清掃の費用相場は?費用を抑えるコツを解説

お役立ちコラム

 

なんらかの事情で特殊清掃の利用を検討する際に、まず気になるのは「費用がどれくらいかかるのか」ということではないでしょうか。
特殊清掃は専門の知識や技術が求められるため、一般的な清掃と費用が異なります。

そこで本記事では、特殊清掃を依頼する際の費用相場と、できるだけ費用を抑えるコツを解説します。
費用相場を知ったうえで、一刻も早く原状回復を進めたいとお考えの方はぜひ最後までお読みください。

特殊清掃とは

特殊清掃とは、事件や事故、孤独死が起きた部屋を清掃することです。
一般的な清掃とは異なり、血液を含む体液や腐敗臭などを除去する作業や、害虫・害獣の駆除を重点的に行います。

専用の薬剤や機材を使用する必要があるため、特殊清掃業者には専門的な知識と技術が求められます。

特殊清掃の費用相場

実際に特殊清掃を依頼することとなった際、費用はどれくらいかかるのでしょうか?
ここからは、“作業内容ごとの費用相場”と“遺品整理を伴う場合の費用相場”について解説します。

作業内容ごとの費用相場

特殊清掃の費用は、作業内容によって異なります。
作業内容ごとの費用相場が気になる方は、以下を参考にしてみてください。

作業内容ごとの費用相場

作業内容 費用相場
床上清掃 3万円~
浴室清掃 3万円~
汚れた畳の撤去 3,000円~(1枚)
消臭・消毒・除菌 1万円~
残留物の処分 1万円~
害虫駆除 1万円~

これはあくまでも費用相場で、実際の費用は部屋の状況や間取りによって変動します。
たとえば、体液の汚れが頑固な場合は、およそ十数万円かかります

そのため、正確な費用を知るには特殊清掃業者に部屋の状況を確認してもらい、見積もりを出してもらうことが大切です。

遺品整理を伴う場合の費用相場

特殊清掃に加えて遺品整理も行う際の費用相場は、以下の通りです。

遺品整理も同時に行う場合の費用相場

間取り 費用相場 作業人数
1R・1K 90,000円~ 1~2名
1DK 110,000円~ 2~3名
1LDK 130,000円~ 2~4名
2DK 150,000円~ 2~5名
2LDK 180,000円~ 3~6名
3DK 210,000円~ 3~7名
3LDK 230,000円~ 4~8名
4LDK以上 280,000円~ 4~10名

このように、特殊清掃と同時に遺品整理も行う場合は、間取りや作業人数によって費用相場が異なります。
この費用相場も、部屋の状況によって変動するので、あくまでも目安として参考にしてください。

特殊清掃の費用は誰が支払う?

特殊清掃にかかる費用の支払いは、持ち家の場合と賃貸物件の場合で支払う人が異なります。

持ち家の所有者が自宅で亡くなったケースでは、相続人が特殊清掃の費用を負担するのが基本です。
しかし相続人が相続放棄した場合は、次順位の相続人に支払う義務が移ります

また、賃貸物件で特殊清掃が必要となった際は、連帯保証人が費用を支払うこととなります。
連帯保証人は借主と同じ責任を負っており、原状回復の義務を果たさなければならないからです。
ただし連帯保証人がいない場合は、賃貸物件の所有者が費用を負担します。

このように、特殊清掃の費用を負担する人は状況によって異なる点は、頭に入れておきましょう。

特殊清掃の費用を抑えるコツ

特殊清掃にかかる費用は数万円から数十万円と額が大きいため、急な出費に対応するのが難しい場合もあります。
そこでここからは、特殊清掃にかかる出費を抑えるコツを解説します。

相見積もりを取る

特殊清掃にかかる支出を減らすために、まずは複数の業者から相見積もりを取ることが大切です。
なぜなら業者によって、費用が数万円から数十万円と大きく異なるからです。
依頼する前に複数の業者から相見積もりを取り、詳細な内訳を見比べましょう。

相見積もりを取ることで、ご自身の予算内に収まる特殊清掃業者を選びやすくなります。

早いタイミングで依頼する

特殊清掃が必要だと判断したタイミングで、早めに依頼することも費用を抑えるために重要なポイントです。

たとえば、床や壁に体液が染み込んだ状態が長期間続くと、除去するのは困難です。
また、特殊清掃が必要な部屋を長期間放置してしまうと、ハエやネズミなどの害虫・害獣も繁殖しやすくなります。
汚れや害虫・害獣が長期間放置されると、除去するためにより専門的な技術や機材が必要になるので通常の特殊清掃よりも大掛かりになり、結果的に費用が高額になるのです。

そのため、特殊清掃を検討している方は、作業が大掛かりになる前になるべく早く依頼することが大切です。

特殊清掃の作業内容

先ほど、特殊清掃の費用は作業内容によって変動すると解説しました。
ここからは、その作業内容の詳細を一つずつみていきましょう。

特殊清掃の作業内容

  • 消臭・消毒・除菌
  • 汚染物質の除去
  • 残留物の処分
  • 害虫駆除
  • 原状回復工事

消臭・消毒・除菌

特殊清掃のサービスとしてまず挙げられるのが、部屋の消臭・消毒・除菌です。

特に遺体があった部屋やごみが蓄積された部屋は悪臭が強いので、特殊な薬剤やオゾン発生器を使用し、悪臭を徹底的に除去します。

また、特殊清掃が必要な部屋は有害なガスや微生物が発生している可能性が高く、感染症のリスクが考えられるため、作業に入る前に消毒や除菌作業が行われます。
消毒や除菌作業で一般的に使用される薬剤は、高い殺菌効果が期待できる二酸化塩素です。
消臭や消毒、除菌作業を行うことで、特殊清掃業者は安心して作業に取り掛かれるのです。

汚染物質の除去

汚染物質の除去も、特殊清掃において考慮すべき項目の一つです。
特殊清掃で除去される汚染物質は、以下の通りです。

主な汚染物質

汚染の種類 汚染物質
生物性の汚染
  • バクテリア
  • ウィルス
  • カビ
化学性の汚染
  • 有害化学物質
  • 揮発性有機化合物
物理的な汚染
  • ごみ
  • 破片
  • ちり

上記の汚染物質は、主にごみが蓄積された部屋で多くみられます。

これらの汚染物質は除去が遅れると、住んでいる方の健康に悪影響を及ぼします。
特に、有害化学物質や揮発性有機化合物を吸入すると、呼吸器障害や化学物質過敏症の症状を引き起こすかもしれません。

ただし、汚染物質は適切に除去することで、再び清潔かつ安全な環境で暮らせるようになります。

残留物の処分

残留物の処分は、ごみが蓄積された部屋の清掃や遺品整理など、さまざまな場面で求められます。

残留物とは、不用品やごみ、故人の遺品、汚染された家具や衣類など部屋に残された物品のことです。

これらの残留物は、それぞれ処分する方法が異なります。

汚染された残留物は感染性廃棄物や産業廃棄物に分類されるので、法令に基づいて適切に処分してもらう必要があります。

害虫駆除

遺体や大量のごみが放置されていた部屋では、害虫が繁殖します。
ここで指す害虫は、ゴキブリやダニ、ウジ、ハエなどであり、放っておくと病原体を拡散する可能性があります。
たとえば、ダニが繁殖するとアレルギー疾患や喘息などを引き起こすかもしれません

害虫は繁殖力が高いことから、特殊清掃では発生源の除去や薬剤の散布など徹底的な防除作業が行われます。

原状回復工事

床や壁の汚れまたは損傷がひどい場合は、原状回復工事を行います。

遺体、あるいは大量のごみが長期間放置されていたような部屋は、清掃だけで元の状態に戻すことは困難です。
仮に、床下に体液が浸透している場合は、床板を剥がすといった大掛かりな作業を行わなければなりません。

このように、汚れや損傷がひどいと清掃だけでは元の状態に戻せないので、専門的な知識や技術をもった特殊清掃業者への依頼が必要です。

特殊清掃業者とのトラブル事例

作業開始後に高額な追加料金を請求したり、貴重品を窃盗したりする悪質な特殊清掃業者もまれに存在します。
ここからは、悪質な特殊清掃業者に依頼した際に起こりうる4つのトラブル事例を解説します。

特殊清掃業者とのトラブル事例

  • 作業開始後に追加料金を請求される
  • 貴重品を盗まれる
  • 作業後に悪臭が残る
  • 残留物を不法投棄される

作業開始後に追加料金を請求される

作業に着手したあとに追加料金を請求する、悪質な特殊清掃業者も存在します。
たとえば、「脱臭機が追加で必要です」「特別な薬剤が必要です」と作業後に提案して、追加料金を請求するというケースがあります。

これは事前の見積もりが不適切だったり、最初に提示した料金が意図的に安すぎたりする場合に起こりやすいトラブルです。

こうしたトラブルを避けるためには、提示された見積もりにしっかりと目を通すことが必要です。
事前の現地確認で追加料金が発生する可能性の有無を確認し、その場合の料金についても把握しておきましょう。
万が一、作業の開始後に追加料金を請求された場合は、その内容が正しいか否かを確認し、不明瞭な点があれば特殊清掃業者に説明を求めることが重要です。

貴重品を盗まれる

特殊清掃業者とのトラブルの一つに、貴重品を盗まれるというものがあります。
このトラブルは大量のごみが放置されている部屋で、そのなかに貴重品が混ざっている場合に起こりやすいケースです。

実際に、特殊清掃業者が現金や貴金属、財布などを窃盗するといった事例も報告されています。
このようなトラブルは、特殊清掃業者に依頼する前に、あらかじめ貴重品を回収しておくことで未然に防げます。
また、特殊清掃業者の口コミや実績などを確認し、信頼できるところかどうかを判断するのも大切です。

作業後に悪臭が残る

作業後に悪臭が残ることも、特殊清掃業者とのトラブルの一つに挙げられます。
これは、特殊清掃業者が消臭作業を怠った結果、悪臭を完全に除去できなかったのが理由です。

また、揮発性消臭剤や吸着型の消臭剤は時間の経過とともに効果が弱まり、悪臭が戻る可能性があります。
悪臭を完全に除去するためには、オゾン発生器やULV霧化機(超微粒子噴霧器)といった専用の機材を導入している特殊清掃業者に依頼しましょう。

残留物を不法投棄される

特殊清掃業者が、残留物を処分する手間や費用を抑えるために不法投棄を行う事例も発生しています。
残留物を不法投棄すると、環境被害につながるだけではなく、厳しい罰則や罰金を科されるかもしれません。
具体的には、不法投棄を行った者は廃棄法に則り、“5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金”が科されます。
これは実行犯ではなくとも、指示や関与した場合も処罰の対象になることがあります。

こういったトラブルを防ぐために、特殊清掃業者を選ぶ際は事前に口コミや実績を確認し、産業廃棄物の処分に対して、許可を得ているところに依頼することが大切です。
また、作業後は残留物をどのように処分したか、報告書を提出してもらうことも一つの方法です。

特殊清掃業者を選ぶ際のポイント

最後に、特殊清掃業者を選ぶ際に重視すべき3つのポイントを解説します。
本項の内容をきちんと理解しておくことで、高品質なサービスを提供している特殊清掃業者に依頼できるでしょう。

特殊清掃業者を選ぶ際のポイント

  • ポイント①実績が豊富か
  • ポイント②見積書の内容は適切か
  • ポイント③一般廃棄物収集運搬業者と提携を結んでいるか

ポイント①実績が豊富か

特殊清掃業者を選ぶ際は、まず実績を確認することが大切です。
豊富な実績があれば、信頼できる特殊清掃業者と判断できます。
実績が豊富な特殊清掃業者を見極めるためには、以下の点を確認しましょう。

実績が豊富な特殊清掃業者かどうかを判断する際の項目

  • 過去に依頼した方が書いた口コミを調べる
  • 特殊清掃業者のホームページから、過去の事例や作業内容を確認する
  • 特殊清掃業者に直接連絡し、実績数や会社の設立年数を確認する

実績が豊富な特殊清掃業者は、ホームページに過去の事例を掲載しているケースがほとんどです。
“アパートの遺品整理”や“一戸建ての特殊清掃”など、過去の事例を確認することで、ご自身のニーズに合ったサービスを提供しているか否かを確認できます。

ポイント②見積書の内容は適切か

見積書の内容が適切かどうかを確認することも、特殊清掃業者を選ぶうえで重要なポイントです。
見積書に記載されている主な内容は、以下の通りです。

見積書に記載されている基本的な内容

  • 作業内容
  • 作業にかかる時間
  • 作業人数
  • 使用する薬剤の内容
  • 不用品やごみを処分する際の費用
  • 交通費や人件費などの諸経費

こうした見積書の内容が明確であれば、料金の内訳を把握しやすくなります。

しかし、なかには見積書を提出せず、作業を開始したあとに高額な料金を請求してくる悪質な特殊清掃業者も存在します。
このようなトラブルを避けるためには、見積書は必ず提出を求め、内容を細かく確認することが大切です。

ポイント③一般廃棄物収集運搬業者と提携を結んでいるか

特殊清掃業者を選ぶ際は、一般廃棄物収集運搬業者との提携の有無も確認しましょう。
なぜなら、特殊清掃で出た残留物は、自治体からの許可を受けた業者でなければ、収集・運搬ができないためです。
もし、許可を得ていないまま収集・運搬した場合は“廃棄物処理法違反”に該当し、5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金が科されます。
特殊清掃業者が無許可で行っていると知ったうえで、残留物の処分を依頼すると、依頼者も同じく廃棄物処理法違反に問われる可能性があるため、注意が必要です。

また、一般廃棄物収集運搬業者と提携している特殊清掃業者に依頼した場合は、清掃からごみの回収、処分までをワンストップで行ってくれるというメリットもあります。

これらの点を踏まえて、依頼を検討している特殊清掃業者が一般廃棄物収集運搬業者と提携しているかどうかを確認することは、非常に重要なのです。

特殊清掃にかかる費用は、作業内容や遺品整理の有無によって大きく変動する

今回は特殊清掃にかかる大まかな費用と、特殊清掃業者を選ぶ際のポイントを解説しました。

特殊清掃では、消臭・消毒や汚染物質の除去、残留物の処分など、一般的な清掃とは異なる専門的な作業を行います。
作業内容や自宅の間取りによって費用が変動するので、複数の特殊清掃業者から相見積もりを取り、比較することが大切です。

また、なかには作業開始後の追加料金の請求や貴重品の窃盗などを行う悪質な特殊清掃業者も存在するため、口コミや必要な許可を取得しているか否かの確認も必須です。

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